迷子の瑠璃ウサギ

・◆・◇・ 人生に 迷い迷って幾星霜 ・◇・◆・

茶味空間。

利休が登場する以前は、茶の為に作られた茶道具というものが存在しなかった。

呼継ぎとは、欠けた器の一部に、
同じ種類だが全く別の器の破片をはめ込んで修復するやり方である。

室町時代、書院における茶のもてなしはフォーマルなもので、
別室で点てた茶を運んで供していた。

鎌倉時代法然親鸞が念仏さえ唱えていれば何人も救われるという教義をうたうようになると、
仏像よりも法を説く宗祖、あるいは法や経文そのものを崇拝する傾向が強まる。

大昔は「花を生ける」と言わずに「花を立てる」と言い、
枝をたわめたり折ったりせず、あるがままの草木の姿を生かすよう配慮した「たて花」の様式が、
室町初期に確立した。

濃茶には、少なくとも樹齢30年以上の古木の新芽が使われる。

濃茶を入れる為の茶入は必ず陶器製で、1つの茶入に対して仕覆が2つ3つと付随していたり、
挽家<ひきや>という容器に収められていることもある。

茶の湯では、趣深く余情あるさま、あるいはそういった余裕をさして、
「茶味のある」「お茶がある」と形容した。
「茶目っ気」の「茶」も意味はその延長にある。