迷子の瑠璃ウサギ

・◆・◇・ 人生に 迷い迷って幾星霜 ・◇・◆・

我等、同じ船に乗り

桐野夏生編 心に残る物語―日本文学秀作選
初めは桐野夏生の作品を読んでみようと思ったのだが、
これを選んで良かった。
一冊で十人もの作家の作品を読むことが出来たからだ。

島尾敏雄『孤島夢』-ぼんやりとして物足りなかった。
島尾ミホ『その夜』-実話なのだろうか?
松本清張『菊枕』-精神を病んでいく感じが分かる。
林芙美子『骨』-女一人で父・弟・子供を食わしていく悲劇。
江戸川乱歩『芋虫』-実に怖い。
菊池寛忠直卿行状記』-言葉は難しめだが美しい文章。
太宰治水仙』-太宰の人となりが分かる。
澁澤龍彦『ねむり姫』-大人向けのお伽噺。
坂口安吾『戦争と一人の女』『続戦争と一人の女』-空襲がすばらしいという女。
谷崎潤一郎『鍵』-谷崎が作り出す独特な世界とはこれか。